うち天

子育てで日々挫折するおじさんのブログ

6歳の長女に性について絵本で読み聞かせした。


「なんで弟(長男)は、おかあちゃんから生まれたのに、おとうちゃんに似てるの?」

長女にこんなことを聞かれました。
とてもいい質問です。
さてなんと答えたものか……。

こんにちは、6歳の女の子、3歳の男の子をもつアラフォーのおじさんです。

こどもってたまに核心を突くような質問をしますよね。

冒頭の質問にきちんと答えられず、その晩、どう説明するか考えてみました。

以降、絵本で性教育するにいたった経緯をだらだらと書いています。

読み聞かせた絵本と、その結果を知りたいかたは後半の「読み聞かせした絵本」をご覧ください。

 タイトルの通り、こんかい6歳の長女に性交も含め、性に関する絵本を読み聞かせました。特に時期については、いろいろなご意見があるかと思います。わたしもこれが正しいやりかたなのだ! などとは思っておらず、いまも手探り状態です。
 ある家庭での一例としてご覧いただければと思います。

性交について聞かれたわけではないが避けるのも不自然か?

「なぜ弟はおとうちゃんに似ているか」。
それは、弟が父の精子と母の卵子からできたからです。

「セックスってなに?」と聞かれたわけではありません。

しかし長女の性格を考えると、父の精子と母の卵子からできたのだという趣旨のことを説明したら、「どうやって?」と聞いてくる可能性が十分あるように思いました。
そうなったときにお茶を濁してしまうのはよくありません。

不自然な避け方をすればよけいに気になるのが人情。どこからか怪しい知識を得てしまうかもしれません。
(親に聞いてはいけないことなんだ)
と思わせるのが一番危ないと思うのです。

もし聞かれたらそのときに答えればいいのかもしれませんが、ここで先送りにすると「ではいつ話すのか」という課題が残ります。

話しづらいのは親の都合

おとなとしては6歳・小学校1年生はセックスを知らなくていいだろうという思いも(かなり強く)ありますが、

  • 照れくさい、恥ずかしい
  • どう説明すべきかわからない
  • どう表現すべきかわからない

などの理由で尻込みしてしまうという面も大きい。
つまりはこちらの事情なんですよね。

おとなの勝手な思いでこどもの大切なたいせつな学びの機会を奪うのはよくありません。
(もちろん逆も同じで、親が教えたいから教えるのもおかしい)

個人差はあるでしょうが、一説には性交などの話に嫌悪感や羞恥心を覚えるのは9歳前後からとのこと。
逆にそれまでであれば比較的自然に受け入れやすいらしい。
注意:すみません、この説のソースは把握しておらず伝聞です。

学校のお兄さん・お姉さんとの交流も増えてきたいま、不正確な情報を耳にする前に正しく伝えるのにはいいタイミングかもしれないと考えました。

娘の疑問に答えることが目的であることを忘れない

ここまでに書いたようにいろいろと考えていると、ついつい

「いざ性教育だ!!」
「きちんと教えねば!!」

などと前のめりになってしまいそうになりますが、忘れていけないのは「なぜ弟はおとうちゃんに似ているか」にきちんと答えて、長女が納得することです。

今回に関しては、性教育は手段であって目的ではないのです。
というか、どんな教育もそうか。

目的を見失わぬよう気をつけつつ、手段を検討しました。

そうして伝え方を検討するなかで、テキトーな知識を思いつきで教えるのもまたよくないと考え、絵本のちからを借りることにしました。

まずは親がまなびました

性教育に使えそうな絵本は古いものが多く、本屋さんではなかなか見つからなかったので地域の図書館で何冊か借りてきました。

こどもに読み聞かせる前にまずはわたしと妻がひととおり読んで勉強しました。

気づいたのは

  1. 性器等の呼称が絵本によってぜんぜんちがう
  2. 絵柄・テイストもテーマも違う
  3. 性交は性教育のごく一部
  4. 性的マイノリティに関する記載はすくない
  5. 表現・言い回しが勉強になる

ということ。

呼称・用語について

正しい呼び方を覚えるのも大事ですが、こども向けに統一された呼び方がない状況で、書かれたとおりに読むとこどもが混乱してしまいそうです。

特に女性器は英語・日本語・日本語の俗称、外性器・内性器……などバリエーションが多くわたし自身もとまどってしまいました。「バ」と「ヴァ」とか本筋と関係ない違いもあり……。

そこで「おちんちん」など、長女が理解しやすいよう適宜読み替えることにしました。

もうちょっと大きくなったらただしい名前も覚えられるといいですね。 (長女はひらがな・カタカナは読めるので、絵本に書いてあるそれらの呼び方にも気づいてました)

絵柄・テイスト、テーマなど

テーマは聞いた長女がそれぞれ感じ取ってくれれば、まずはいいのですが、絵柄や文章のテイストはちょっと気になりました。

今回借りた本は外国のものが多く、長女にとってはあまりなじみのない、ちょっとステレオタイプな「欧米な感じ」の絵柄だったり、日本ではあまり聞かないエピソードがあったりしました。

▲ グーズベリィという木のしたでみつけるというのはどこかの国では定番なのかも?
あかちゃんはどこから? より

絵柄が気に入らなかったらその本はやめておく、エピソードなどは適宜割愛するなど柔軟に対応すればいいかと思いました。
(結果的に絵柄が嫌で読まなかった本は今回はありませんでした)

性交の位置づけ

当然ですが性交は性教育のごく一部です。
性交に触れている本でも、それはあかちゃんがうまれるまでの全体のストーリーのワンシーンでしかありません。

全体として何をいま伝えたいのかを親としても考えた上で読み聞かせるように心がけました。

(でも性交がどう描かれているかがやはり一番心配でしたが)

性的マイノリティについて

今回借りたのが古い絵本ばかりだったせいもあると思いますが、性的マイノリティについてはほとんど触れられていませんでした。

逆に、ステレオタイプなジェンダー像も多く見られました。

性的マイノリティについては今後もよい本を探したいと思います。

今回は
「この絵本にはおちんちんがあるのが「おとこ」と書いてあるけど、おちんちんがあっても心が「おんな」のひととかもいる。ほかにもいろんなひとがいる」
ということを簡単に補足する程度にしておきました。

それでも長女なりに理解したようで、子どもの柔軟さをうれしく感じました。

表現・言い回しについて

言い回しの面で、絵本はとても参考になりました。
普通の絵本同様、うーん、この表現はいまいちだなぁと思うこともありましたけどね。

たとえば 『なぜなのママ?』では精子のことを「あかちゃんのもと」と呼んでいるようです。
(残念ながらこの絵本は絶版で図書館にもなく、入手できませんでした。Amazon や楽天で中古販売しています)

この表現は長女にもわかりやすそうです。
「母と父のあかちゃんのもとが合わさってできる」
→ だから母父と似ている

うん、なかなかわかりやすい気がします。

別の例。
『ぼくどこからきたの?』では性交について「いいきもち」と表現しています。

『ぼくどこからきたの?』 より

「きもちいい」というと体感的なイメージがありますが、「いいきもち」というと気持ち・心に重点を置いた感じを受けます。

実際には感覚・体感もたいせつですし、6歳児はそこまで細かいことは気づかないと思いますが、読み聞かせる方としては「いいきもち」のほうが言いやすい気がします。きもちいいというのは直接的な感じがして、なんとなく照れくさい。

読み聞かせなので、基本的には書いてあることを読むのですが、補足するときなどにこれらの表現をうまく取り入れられるといいなと思いました。

読み聞かせた絵本

前置きが長くなりました。ここからは実際に読み聞かせした本を紹介します。

長女の疑問とは関係ない本も含めて性について幼児からまなべる本を選びました。

おんなのこってなあに? おとこのこってなあに?

『おんなのこってなあに? おとこのこってなあに?』 より

絵でなくうつくしい写真でまなべる本。
と言っても性器の写真がどどーんと大写しになっていたりするわけではないので安心してください。

タイトルはおんなのこ、おとこのことなっていますが、男女の違いだけでない、人間の多様性を知ることができる本。

こんかい長女がいちばん気に入った本でした。
一度読み聞かせた後は、自分でもなんどか読んでいました。

ステレオタイプなジェンダー観をしっかり否定して、固定観念の払拭を手伝ってくれます。

最後、男女の違いを性器の違いで説明しているのは、2019年現在ではもしかしたら少し説明不足かもしれませんが、古い本なのでしかたないかと思います。

ぼくどこからきたの?

サブタイトルは
「あるがままのいのちのはなし。ごまかしなし、さしえつき。」

あの谷川俊太郎さんの訳です。
前述の「いいきもち」という表現は谷川さんの訳だったのですね。

「ごまかしなし」のサブタイトル通り、かなり踏み込んでいます。

たとえば、あかちゃんのはじまりはたいていベッドのなかでおこる、というようなことまで書かれています。

『ぼくどこからきたの?』 より

ペニスをヴァギナにいれるというあたりでは長女は「え~、やだ~」とすこし戸惑っていました。
率直な感想だと思います。

この記事の前半で9歳くらいまでは受け入れやすいらしいと書きましたが、この発言を聞いたときはちょっと焦りました。

▲ すこしクセの強い絵。Amazon のレビューではこどもがこの絵が気に入らなかったというものもあった。長女は気にしていませんでした 『ぼくどこからきたの?』 より

これらを見るとちょっとこの本を選ぶのをためらってしまうかもしれませんね。

しかしあくまで性交シーンはこの本の一部です。その後、母のお腹で育っていく様子などわかりやすく教えてくれてタイトルの「ぼくがどこからきたのか」にしっかり答えてくれます。

母のお腹のなかで大きくなっていくあかちゃんが描かれていますが、

  • 長女はこの絵とちがって逆さま(逆子)だった
  • だから頭からでてこれず、帝王切開でうまれた

ということも伝えました。

ちなみにタイトルに「ぼく」とある通り、男の子の父が息子に向けて描いた絵本だそうです。

あかちゃんはどこから?

タイトルのとおりあかちゃんがどこからやってくるのかをまなべる絵本です。

実際に「あかちゃんはどこからくるの?」と聞かれるおとなはそれなりにいるんでしょうか。「ママのお腹からうまれた」ということを知っているこどもが大多数な気がするので、あまり聞かれないような……。

外国の絵本の翻訳版で絵柄は欧米風ですが、やわらかい雰囲気です。

▲ かなり具体的。迷ったがこのまま読んだ。 『あかちゃんはどこから?』 より

男女のからだのちがいや、卵子と精子のであい、受精~出産まで順番に絵で見て知ることができます。

6歳の長女には受精などはちょっとむずかしかった様子。でも前述の『ぼくどこからきたの?』と合わせて、どうやってあかちゃんができるのか長女なりに理解できたみたいです。

あかちゃんはどこから? (えほんとなかよし)

あかちゃんはどこから? (えほんとなかよし)

  • 作者: ローズマリーストーンズ,ニックシャラット,Rosemary Stones,Nick Sharratt,山本直英
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 1995/04
  • メディア: 大型本
  • 購入: 1人 クリック: 3回
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わたしのはなし(おかあさんとみる性の本)

おんなのこ向けにプライベートゾーンや性犯罪などから身を護るための基本的な考えかたを教えてくれる絵本です。

長女の質問とは直接関係ありませんが、参考にした記事(後述)で紹介されていたのでついでに図書館で借りてきました。

  • だれかがあなたのプライベートゾーンをさわったりしようとしたらはっきり「いや」と言う。
  • だれかがその人のプライベートゾーンを見せたりさわらせようとしたら「いや」と言って、親や先生、おまわりさんにしらせる。

多くの性犯罪が相手が恐怖心や戸惑いから抵抗できない状況で発生しています。

はっきり断っていいということ。(とても勇気がいると思うけど)それが当たり前であると娘には覚えておいてもらいたいです。

ただ、長女は他人がプライベートゾーンを見せたりさわらせようとしたりするということが理解できていませんでしたね。そりゃそうだ。

保育園でいっしょだった〇〇くんは、おしりだして「おけつ~」とかやってた! と言ってました。
お行儀は悪いけど、幼児ならそれくらいするよな……。と思うのでなかなか説明がむずかしかったです。

あまり具体的に伝えると怖くなってしまうと思うので、「もしそういうことがあったら」という程度の説明で終えておきました。

シリーズとして、おとこのこ向けの「ぼくのはなし」もあるようです。

長女、納得。

さて、何日かかけていくつかの本を読みました。
ふぅ、長かった……。

さいごに

「あの本に書いてあったように、こうこうこうだから、似てるんだよ」

と言うと

「ああああ!!!! だからかあああ!!!!」

と叫んでいたのが印象に残っています。

こうして母と父からあかちゃんができることを知り、長女は冒頭の疑問

「なんで弟(長男)は、おかあちゃんから生まれたのに、おとうちゃんに似てるの?」

を理解し納得してくれました。

ベストなタイミングだったのかはわかりません。性交について知る必要があったかもわかりません。
でも、事実を知り家族や自分についての疑問が解消したのはとてもいいことだと思います。

長女を体外受精で授かったことを伝えられた

長女にこのタイミングでもうひとつ伝えたかったのが体外受精であなたを授かったということ。

  不妊治療で授かった子について言われてイヤだった言葉ワースト1 - うち天

性交についてまなんだ長女はあかちゃんができるきっかけを知りました。
しかし自身は絵本に描いてあったこととは少しちがう方法で授かったのです。

それを後年になってから伝えるメリットも特になさそうなので、このタイミングで伝えました。

なかなかあかちゃんができなかったから病院の先生にお願いして手伝ってもらったこと。せいしとらんしを渡してうまく出会わせてもらって、母のお腹にもどしてもらったこと。

「へぇ、そうなんだ」
と、まあ特段大きな反応もなく、そのまま受け止めていたようでした。 (ちなみに後日「せいしはどうやって取ったのか」と聞かれこれまたうまく答えられませんでした……なんというむずかしいことを聞くのだ、うちの子は……)

不妊治療の末に授かるケースはいまではたくさんあると思うので大げさに言う必要はまったくないと思いますし、別に知らせる必要性すらないと思います。
あくまでわが家ではそうしたという一例です。

おわりに

結果としては6歳の長女に性交を含めたいくつかの性教育ができたことはとてもよかったです。

こどもたちの成長や性格によるので、何歳がベストかはわかりませんし、長女もこれからも継続してまなんで行くべきでしょう。

先のことを考えたときに、いちど親子で性教育を体験したことで、すこし親のハードルが下がったのがいちばんよかった点かもしれません。
あ、でももう少し大きくなったら父であるわたしでなく妻が主担当になったほうがいいかもしれませんね。

こんかい、長男にもいっしょに読み聞かせてもよかったのですが、たまたまタイミングが合わなかったので、そう遠くない未来に長男にも伝えられたらと思っています。
男子こそきちんとまなんでほしいですしね。

参考にした記事

今回選んだ本はこちらの記事を参考にしました。

naraigoto-kids.jp